アマチュアゴルファー!
これを読んでいる多くの読者も知っていると思うが、最近、中学生ゴルファーが話題になっている。ゴルフのプロトーナメントに参加し、予選も通過してしまうスーパー中学生、伊藤涼太君だ。並みいる強豪たちを押しのけて、ベストアマにもなったほどの腕前の彼は(うらやましい・・)小学生の頃から実は注目されていた。
ゴルフというスポーツは、あの強いタイガーウッズが現れて、一躍若者に大人気のスポーツとなった。ゴルフは、初心者には本当に難しいスポーツで、しかし、こり始めるとたちが悪いほど、面白いのだ。
最近、地方新聞の夕刊で、アメリカゴルフ記者協会会員の方が書いた、こんな記事が掲載された。
『義務教育中の15歳ゴルファーに、これほどの例外が認められてよいのだろうか』これは、記者協会会員の方が書いた文章の、最後の締めくくり部分だ。もしかしたら、読んだ方もいるかもしれない。要するに、義務教育中であるはずの伊藤君が、学校にも行かず、ゴルフばっかりしているのはけしからん!ということを言いたかったのだろう。
きっと、このゴルフ記者協会会員の方は、ゴルフ以外のことは何も知らないのではないかと感じた。そして、私達の住む日本社会は、目立ちすぎると攻撃されるという法則がある。
特に、今回のような記事は、まさにそれにあたる。記事の中で記者は、観戦している客が、プレー中の伊藤君に言った『勉強しろ!』というヤジを見出しの太字にし、記者自身も、普通の中学生なら1日6時間前後は学校ですごす。しかし、伊藤君は、ツアー中1日30分の勉強しかしていない。落差がありすぎるのではと、彼のライフワークを批判した。
考えて欲しい、プロゴルフのトーナメントで、決勝に残る中学生はもう普通ではない。そんなことが分からないのだろうか。と言いいたい所だが、そんな問いかけではこの記者には不十分だろうし、有効ではない。
では、私の考える普通の中学生というのは、どんなものだろうか?
私は、現代で、普通のサラリーマンというのがイメージできない。同じように、普通の中学生と言うのは、もういない。だから一括りに出来ない。皆、違う事をやっているし、考えも違う。まったく同じ生活をしている中学生など見当たらないのだ。
しかし、この記者の中で、普通の中学生という概念があって、それは毎日6時間必ず中学校へ行くというのが普通らしい。つまり、人生で、学校が最高の勉強と経験の場であり、それ以外の行動をする人は異常だと感じているのだ。私の過大解釈だろうか。
義務教育は日本の制度だ。国が決めている制度だから、それを履行しなければ当然罰せられる。しかし、矛盾は国内中にあふれている。伊藤君をはじめとした、長期にわたって学校を休む中学生は例えば、スポーツ選手の中学生、長期で入院をしている中学生、不登校の中学生、自宅学習を与えられた中学生、不良と呼ばれる中学生、中学生で芸能人など、まだまだ色々な理由で中学校に行かない子供は大勢いるはずだ。
しかし、それらは、一様に罰せられない。なぜだろうか?
例えば、人に酷い暴行をすれば、理由に関係なく警察につかまる。傷害罪だ。そして、人を殺せば同じく理由には関係なくつかまり、殺人罪になる。そして、これも日本の制度で決められた事だ。制度は自分がいる国によって違う。(日本の飲酒解禁は20才だが、イタリア、フランス、スペイン、オーストリアでは16歳だ。国が違えば制度も違う)
つまり、義務教育とは、有無も言わせず、『学校』という場所で教育を受ける事がすべて、ということに100%つながらない、ということの表れなのではないだろうか。(義務教育の制度内容は、改革が叫ばれている)
もし、学校がすべてなら、上記に示した学校に行かない理由があっても、罰せられるはずだ。傷害罪や、殺人罪なら、絶対に見逃してはくれない。罪の重さに関係しているのだろうか?いや、それも違う気がする。一時停止で切符を切られても、一週間以内の振込みをといって、用紙が渡されるのだ。
ゴルフ記者協会会員のこの方は、きっと他のスポーツの現状を知らない。プロのトーナメントに参加して、とてもよい成績をもぎ取った伊藤君が有名になり、他のスポーツでも行っている事を、さもゴルフプレーヤーの伊藤君だけが義務教育を(学校を)毎日欠かさず受けていないと決め付け、記事を書いたのであれば、無知以外のなにものでもない。
実際、この問題は、伊藤涼太君本人と、ご両親、そして、通っている学校の校長が認めれば、何の問題もない事で、(学校長の許可はもらっているはずだ)他人が(もちろん記者と観客も含めて)彼の将来に何の責任も負えないのに、こんな批判的な記事を書く事自体間違っているのだ。日本的ここに極まれりだ。
学校に行くという事は、国民の全員が行っている事だが、伊藤涼太君は、日本でただ一人プロゴルフの試合で、決勝に進み、ベストアマチュアの経験を持った。お願いしても、大金をつんでも無理な事である。彼だけを批判するのも間違っているし、彼に対しての批判そのものも間違っている。
ミッシェル・ウィーという女子ゴルファーがいる。もう彼女は世界的プレーヤーだ。アマチュアーで、15歳。しかし、彼女に対してのこのような批判はない。テニスのシャラポワも17歳でメジャーを勝った。ということは、日本の中学生の年代で、すでに世界的な力の土台を蓄えていたはずだ。毎日欠かさず学校に通って、世界制覇が出来るのなら、きっとこのプレーヤー達は学校に行っていただろう。しかし、実際は、学生がすごすような楽な毎日ではなかったはずだ。
学生時代にしか味分けない、友達とのやり取りや、恋愛などは、二の次、三の次に等しかったに違いない。しかし、その時代がなければあたりまえだが、今もないはずである。
ゴルフに限らず、他のスポーツでも、多くの中学生が、海外へトライしている。当然学校は休む事になるのだが、その期間は様々だ。年間2ヶ月や3ヶ月海外に行くという中学生もいる。しかし、私の知る限り、文部科学省からのクレームが来たなどの話は聞こえてこない。
私の批判はどこに向けらているのか?当然、記事を書いたこの記者にも向けられているし、無責任にもヒーローに祭り上げるメディアも腹立たしい。これで、競技成績が落ちると犯罪者のような扱いで、メディアに取り上げられる事は、今までの経験から言って大いにありえる事だ。
伊藤君は、早く海外に拠点を移したほうがいい。これから、こういう批判や、メディアでの扱いで嫌な思いもするだろうから。
年齢に限らず、才能のある人間は、才能を超えた次元に行ってもらいたい。学校という、現実社会では通用しない場所にいさせたいのなら、子供を鎖でつなぐしかないだろう・・・
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